Ⅱ.剛法

蹴り方の新旧

蹴り方は突き方ほどの新旧の差はないものの、やはり変化しているようだ。
特に、蹴上と廻蹴は変わったように感じる。
それは、突きと同じで冴え(引き)が弱くなっているということだ。
これも胴突きと同じく、着胴の意味は攻撃部位の確認と作りの確認にとても有用だと思う。
前足底で蹴ることが冴えを出すことに重要なポイントで、蹴足を引くには足首が曲がっている方が楽なのだ。
足首が曲がった(生きた)状態で蹴るには、前足底が出ていないと爪先蹴になる。
クツを履いた状態なら爪先蹴は有効だが、裸足の爪先蹴は突指や骨折などの危険がある。
前足底での蹴りは当身の五要素である「当身の速度」を満たし、ケガも防げる蹴り方なのだ。

蹴り方で注意された時の言葉

・蹴足の膝を胸元に引き付ける。
・前足底を出す。
・蹴り足の五指を開く。
・膝のスナップで蹴る。
・蹴った後、踵で尻を蹴る。
・音が鳴った時には、足が地に着いているように・・・
・膝を絞る。
・腰を入れる。(水平軸と鉛直軸の使い分け)
・蹴りの冴えで、相手の道衣を脱がせる。

上記以外にも幾つかあったが、蹴り方の種類で違うことな
ので省略します。

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胴突きの意味

突き方の種が、昔と現在では違う。
まったく違うと言って良いほどに違う。
胴を着用した時の突の練習の意味が、変わってきているからのようだ。
少林寺拳法の正拳は、主に中指から小指側の拳頭を言う。
素手で胴突きを行なうと、小指の拳頭の皮が剥ける。
それで、中指と薬指の拳頭を使うことが多くなってきている。
中には、大拳頭(示指と中指の拳頭)を使う人もいる。
しかし、小指側の拳頭が少林寺拳法本来の突き方だ。
だから、小指の拳頭の皮がズル剥けするのは、実は正しい「当て方」なのだ。
ただ、「突き方」が良くないだけである。
それは、着胴での突き稽古の意味が伝わっていないからだろう。
胴は「痛くないように、怪我しないように」着けているのではないのだ。
突く者が「手首への負担(反発の衝撃)」を覚えるためであり、自分の手首の強度を知るためであり、「手首の強化」の必要性を知るためである。
「着胴の意味」と「突き方」が変化したのは、乱捕全盛期時代の判定の弊害なのかもしれない。

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突き方の新旧

現在の突き方は、突き込むような感じで引き(冴え)が弱く感じるものが多い。
拳から肘までを「棒のようにして突く」イメージがある。見た目にも衝撃も、突きに重みを感じる。だが、この突き方は鉤突の突き方として学んだ記憶がある。
昔の突き方は、ポンと軽く当てるイメージだった。見た目はすごく軽いが、深さは充分にある。
それが、胴やミットを突くことを多くやっていると、思いっきり突きたくなる衝動に駆られ、現在のような突き方に変わってきたのではないか。だから、着胴の意味が変わってきたのではないかと思う。
簡単に例えると、昔の突きは「すぐ突き」で、今の突き方は「ちょく突き」だ。
基本稽古の号令で、昔は「上段すぐ突き」と言っていた。現在は「上段ちょく突き」と言っているのがほとんどのようだ。これも、突き方を変えた原因なのだろう。

今までに、突き方を注意された時の言葉・・・・

小指側からの3本の拳頭を使う。(または、掌拳)
・カナヅチで釘を打つように突く。
・スナップで突く。
・突き上げるように突く。
・拳で以って、身を当てる。
・肘から送る。(腕のみの話)
・突きの間合は、肘が届く距離。
・スーッと、近づいて突く。
・(直ぐ)突きは、拳の質量で突く。
・振子をする。
・膝を絞る。
・腰を落とし過ぎるな。
・腕が伸びきる前に引く。
・どの間合からでも引けるように。
・当てる瞬間に、拳を握りこむ。
・引きは素早く。(冴えを鋭く)
・音がした時(当てた瞬間)には、胸元に戻っているように。
・相手を後ろに飛ばさず、手前に落とすように。
・ポンと軽く突く。
・猫のように柔らかく。
・開祖は体は大きいのに、動きは小さかった。
・開祖の突きは、見ていて軽かった。

他にもあったと思うが、記憶にあることだけでもこんなにある。
しかし、私の中でこれ等はバラバラ(いくつかのグループ)で存在していた。
たった一言のアドバイスで、これらの全て繋がった。
「『掌拳で突く』ようなイメージで突いてごらん。」
ただ、この一言で・・・。

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生きた法形(剛法)

法形を生かすための分類として、「法形の応用」「法形の変化」「法形の選択」があると思われる。
「法形」とは実践の中で起こりうる動きの一部を、理法や動きを「強調し抜粋」したものであるから、間合・体勢・タイミング等さまざまな条件下で適した形にしなければいけない。だから、「型」ではなく「形」なのだ。

《法形の応用》

人には利き腕や利き足があり、性格や好みでも攻撃法はいくらでも変わる。
法形を演練する際には、まずオーソドックスな形を学び反復稽古するワケだが、慣れてくると前後左右順逆表裏内外と幅を広げていかなければいけない。
『法形の応用』は、主に布陣法や体勢で使い分ける。

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《法形の変化》

『法形の変化』は、オーソドックスな形からの反撃法の違いである。
これは受けた時の間合の違いから、有効な「急所の位置」「間合」「角度」に応じて、攻撃法を変化させる方法である。
振突も鉤突も「突き」である。内受して「突き」を行えば、それは充分に「内受突」なのである。
「当身」が「身を当てる」ということを考えれば、「突き」や「蹴り」は「体当」と同じである。
上肢を用いた攻撃は「突き」、下肢を用いた攻撃は「蹴り」と大きく分けて考えて、自由度を上げるよう修練する必要がある。

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《法形の選択》

『法形の選択』は、攻者の攻撃法が同じ場合に守者の状態に合わせた法形を選択する方法である。
間合や体勢などだけでなく場所や人数といった状況までも仮定して、その状況に適した法形の選択する稽古まで発展させると良い。

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